PIGMENT

世界中の鉱物から作られる天然無機顔料

大地がまとった色彩


天然無機顔料の原料である天然土は特殊な地層から採掘されます。砂岩や粘土層からなるこれらの地層は、2億3千年前からの海中堆積物が年月を重ねて変化したものとされ、黄、赤、茶、緑などさまざまな色をしています。

色鮮やかで不純物の少ない厳選された天然土は、洗浄、分離、乾燥、粉砕、加熱などの処理を施して天然無機顔料として生まれ変わります。


歴史

ラスコーの洞窟壁画
古代ローマの都市エルコラーノのフレスコ画

人類の天然無機顔料の利用の歴史は7万年前にさかのぼります。

最初は、赤色の天然土を尊重し、儀式や祭祀などに広く使われていました。
新石器時代になると、洞窟壁画に見られるように、日常生活やアートに使われていたと考えられています。
有名なのは、ラスコーの壁画ですが他にもペッシュメリルやアトランタなどにも同様に見られます。

エジプト、メソポタミア、ギリシャなども塗料や絵の具として大量に使用し後にローマが続きます。
壁画はレランの島にあるギャロロマンの家の壁、カンヌ、最近は、リュブロン、キュキュロンにも発見されています。
ローマ人やギリシャ人は大建造物にもフレスコ画を描きました。

天然の赤色水銀などとの微妙な混合で肌色を作るなど、中世から20世紀まで色々な調合で豊富な色が作られ、建造物の壁画や装飾に使われてきました。

DOLCIの天然顔料


1910年創業のドルチ社では、古代より伝承されるイタリアの顔料造りを変わらぬ製法で、代々作り続けてきました。

大戦後の難しい時期を乗り越えたドルチ家三代目の兄弟は、天然土から作られる製造技術を回復させ、今は甥である4代目に伝統が引き継がれました。土を焼いて作られる顔料と技術は、釜での焼成時間や温度調整といった難しい工程を乗り越えて、同じ色を再現するという職人技によって支えられています。

顔料を細かくする過程で重要となるのは、創業時から守り続けられている石臼による粉砕作業。合成顔料が主流となっている現代において、天然土が色彩へと変わる瞬間は、何ものにも代えられない誇らしい気持ちになると、ドルチ社の誰もが声を揃えて伝えてきます。


建築の顔料として

天然無機顔料は古くから建築用の顔料として使われてきました。

ヨーロッパでは、消石灰と顔料を混ぜた左官材や塗料が建物の外壁を彩っています。

天然顔料とレーキ顔料


クスノキ石灰ではDOLCI社の輸入総代理店として、天然無機顔料とレーキ顔料を扱っています。

天然無機顔料は天然土から作られ、レーキ顔料は染料を細かい砂に染み込ませて作られます。

絵画の歴史を誇るイタリア製の「レーキ顔料」は発色が素晴らしく色の種類も豊富にそろっています。

水彩、油彩、フレスコ画、テンペラ画などに使われています。

天然無機顔料
レーキ顔料

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